第十二章
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翌朝。
五木キリコは、真成寺悪子、そして山崎タクヤと3人、並んで登校路を歩いていた。
「へぇ、じゃあ、五木さんは、あっちゃんの家に今いるんだぁ」
タクヤが、感心したような口振りで言う。
「ええ、そうよ。昨日は1日、し………あっちゃんのお家に住まわせてもらう為の準備をしていたの」
「キリちゃんのパパ、なんかアレ、事業に失敗して夜逃げしちゃったんだって。で、お家とかも差し押さえられたから、行くところなくなって、じゃあウチ来るって話になったワケ」
「へぇ」
悪子が言っている事は、間違いではない。
確かに、キリコの父親は表向き、事業に失敗し、失踪したという事になっているようだ。
家が差し押さえられたのも事実。
しかし、それらの全てが悪子の差し金である、という事だけは、少年に伏せて説明された。
「でもさ、なんか、あっちゃんと五木さん、こんな仲良かった?」
「んふふー。ちょっとあの件でわたし、キリちゃんと喧嘩してさ、で、その流れで、なんか仲良くなっちゃったわけ」
「あの時は本当にごめんなさい。山崎くん、不愉快だったでしょう」
キリコが困ったような笑みを浮かべ、言った。
「ううん、いいよ。別に、何もなかったし。僕、前の学校で、イジメられてたりしたから、あんなぐらい、何でもないよ」
「そうそ。タクヤ、なんか男子とかにメッチャいじられまくってたよねー。やっぱあれよ、顔可愛いからよ。なんか柔道とかしたらどう? あれ、顔の形変わるっていうよ」
意地悪そうな笑顔とともに、悪子。
「い、いいよ。別に僕、そんな、顔とか、そういうので…………」
やがて、校門をくぐり、3人はそのまま教室へと向かった。
最初にキリコが目にしたのは、驚愕の表情を浮かべ、こちらを呆然と眺める山川理恵子だった。
そばかす気味のポニーテール。その頬は、心なしこけている。
「おはよう、山川さん」
キリコが挨拶した。
「お、お…………」
理恵子は口を開こうとするが、言葉が出ないようだ。「あ、ヤッホー。山川さん、おはよっ」
続いて、悪子。
「あれぇ? なんか痩せちゃったっぽくない、山川さん。大丈夫、ちゃんと食べてるかい?」
「う…………うぅっ………」
口を押さえ、そのまま理恵子は廊下を駆けだして行った。
「ありゃー? どうしたんだろう、ね、タクヤ。山川さん、お腹壊してるのかなー?」
「さぁ………わかんないけど、多分ちょっと調子悪いんだよ、今日」
そんな悪子とタクヤのやりとりを、キリコは心中、穏やかならざるものを抱きつつ聞いていた。
山川理恵子。
そして石田幸恵。
2人の少女…………かつてキリコの取り巻きだった彼女達が、悪子にどんな事をされたのか。
キリコはその一部始終を、昨夜、公衆便所より解放された後、悪子から映像を交えて伝えられていた。
北の地で、豚男の性奴隷として生きる幸恵。
そして、今出会った理恵子は、その全身におぞましい刺青が施されている。
2人に比べたら、まだしもキリコの方が幸せだと言えた。
──────少なくとも現時点では。
「なにやってるの? キリちゃん、早く教室入りましょっ」
休憩時間は、主に悪子とキリコ、そしてタクヤを交えて3人で談笑した。クラスの皆は、キリコの変化に最初は戸惑ったようだが、教師からキリコの事情を聞かされ、何となくではあったが納得したようだった。ただ、山川理恵子だけは悪子やキリコ達には一切近づこうとはせず、ただじっと自分の机で座っているだけだった。
普段通り。
そんな雰囲気が若干乱れたのは、5時間目、数学の時間だった。
教師にあてられ、前の黒板に出たキリコが、突然「あぅうっ」と呻いてしゃがみ込んだのだ。
「だ、大丈夫? 五木さん」
中年の女教師が心配そうに声をかける。
「あぁ…………だ、だいじょ、うぅう、ぶ、です」
キリコは内股気味に立ち上がったが、その顔は紅潮していた。
「ちょっと、五木さん、熱あるんじゃないの?」
彼女に気がある男子(というより、このクラスでキリコに気がない男子などかなり少数派ではある)が、ここぞとばかりに声をあげる。
「い、いえ、だ、だぁああ、あぁうう、い、大丈夫…………ですからぁっ、あぉおおっ………!」
びくっ、と腰を震わし、再び膝をつくキリコ。
その妙に色っぽい仕草に、教室のかなりの男子生徒が、知らず股間のモノを熱くしていた。
「センセー! わたし、五木さんを保健室に連れていきます」
そう言ったのは、果たせるかな悪子。
「あ、そ、そう? じゃあ、真成寺さん。悪いけど、よろしくね。なんだか、かなり悪いみたい…………」
「はい! おまかせください」
悪子はキリコに肩をかし、去り際、こっそりとタクヤにウィンクしてから、教室を後にした。
廊下を過ぎ、2人は女子トイレに入る。
「んふふ、今の、かーなーりエロかったよ、キリちゃん。わたしが後ろの席で見てた限り、5人の男子がズボンの股間膨らませてたもん」
「あうぅうっ…………だ、だめれすぅ…………ご、ごれ、ずごずぎまずぅうう…………」
潤んだ瞳を、悪子に向けてキリコ。
キリコのスカートの下、股間には下着の代わりに、あるモノが装着されていた。
『逆鉤』
その特殊な貞操帯は、今、少女の膣孔とアヌスを、人造男根で抉っていた。
それぞれの『ペニス』は、挿入後、内部で先端がギャッと折れ曲がり、自力では絶対に抜けなくなる。キリコはこれを、登校時からずっと着用していたのだ。
それほど太いものではないので、挿入感にはすぐに慣れる。
が、悪子がスカートのポケットに隠し持っている遠隔操作のリモコンを操作することによって、強烈なバイブレーションが発生するのだ。
緻密に計算されて作られた人造男根が、的確に膣内のGスポットを刺激し、直腸を揺さぶる。
のみならず、この貞操帯はキリコのクリトリスを、皮剥きの状態で固定しているのだ。
淫核、膣、肛門、この3つに加わる振動波は、容易に少女の理性を吹き飛ばした。
尿道の部分は空いているので、小用を足す分には支障はない。
大便は家に帰った時のみ、それも、悪子、京子、そして妹が見ている目の前で貞操帯を外し、透明な『おまる』に跨って排出しなくてはならない。
「ふふ、体調を崩したキリちゃんを、率先して優しく保健室に連れて行ってあげるあっちゃん…………タクヤの点数、ちょっとは稼げたかなー」
「お、おねがい、お願いしますぅう…………く、クラスでは、クラスではやめれ、くらさひぃい…………」
「まぁ、あんまりやるとマンネリになるからねぇ〜。また別のネタ考えとくね。じゃ、保健室行く前に、軽くイカせてあげるっ」
カチッ
「ほぎひぃいいいいいいいいいっ!」
腰をガクッと跳ね上げ、キリコが絶叫した。
最大値のバイヴレーション。
足が崩れ、トイレの床に腰を落とした少女は、舌を突き出し、白目を剥いたままビグッ、ビグッと小刻みに震える。
やがて─────
じょわわわわわわ…………
「ありゃ、お漏らししちゃった?」
昨夜の悪子達からの『調教』から数えて、これで生涯3度目の絶頂だった。
限界を超えた快感に、キリコはおびただしい量の尿をスカートに染みこませていく。
「あ〜ぁ…………保健室のセンセに、なんて言い訳しよっか? キリちゃん」
そう言って、悪子はにぃ、と笑った。