第九章

 

 

 

 

 最初は気持ち悪いだけだと思っていた山岡。

 しかし、バスルームでの執拗にして優しい愛撫、ふとした拍子に見せる優しさ、暖かさが、彼のもたらす肉棒の絶対的な快楽と多角的に絡み合い、身体だけでなく、彼女自身の心、魂までも作りかえていったのだ。しきりに持ち出されるハルキとの比較。短小。包茎。早漏。しかし…………

 
(ご主人様は、本当の『女』を教えてくれた)

 
 むろん、それは錯覚に過ぎない。

 が、屈辱にまみれ、崩壊しかけた自我を、そっと支えてくれる優しさの仮面、加えて後から来る確実な性感の坩堝。山岡は美和子の価値観を一度完全にうち崩し、自分に都合の良い新たな世界観を、苦痛、屈辱、優しさ、そして男根がもたらす絶対的な快楽によって再構築したのだった。

 もはや美和子と世間を繋ぐものは、山岡とそのペニスのみとなっているのだ。

 

「み、美和子…………しょ、正気か…………?」

 
 手錠で繋がれ、タンスに身体ごと縛り付けられたハルキは、信じがたいといった顔で、美和子の情熱的な、山岡の肉棒に対する口奉仕を見つめている。

 

「──────よぉし、そろそろいいぞ、気持ちよかったぜぇ」
 すると美和子はちゅぽっと口をペニスから離し、
「はい。ありがとうございますぅ、ご主人様ぁ」
 と、微笑みさえ浮かべて言った。
「じゃ、そろそろ帰るか?」
「えっ…………だ、駄目ですぅ! 美和子のマンコに、ご主人様のチンポ挿れてくれるってぇ〜………」
 美和子がすねたように顔を歪め、両手で勃起したままの山岡の男根をきゅっと握りしめる。
「チンポだったら、そこのハルキくんのがあるじゃねぇか。ハルキくんは部活でもヒーローだし、ケンカも強ぇ。さぞやリッパなイチモツの持ち主なんじゃねぇかなぁ〜?」
「ち、違いますぅ! ハルキくんのチンポは、ご主人様のより小さいし、仮性包茎ですし、おまけに早漏なんですぅ! わたしはご主人様の逞しいチンポじゃないと満足できませんっ!」
 美和子は、縛られたハルキを指さし、はっきりとそう告げた。

 
「み、美和………」

 言いかけて、ハルキはそのまま唖然としてかたまる。

 衝撃の多重効果で、彼はもう何がなんだか分からなくなってきていた。

 

「いやいや、それは見間違いなんじゃないのかぁ? ハルキに限って、そんな、短小包茎でしかも早漏なわけねぇよ。どうしてもお前がそう主張するってんなら、証拠をみせてみろ、証拠を」
「…………え? ご主人様、証拠って…………」
 不安そうに、指を噛む美和子。
「だぁかぁらぁ。あそこでかわいそうな目にあってるお前の恋人のズボンのチャックおろしてチンポを取り出し、お前が口でかわいがってやるんだよ。お前のフェラテクにすぐ耐えられなくなって出しちまったら、お前のいうことをちゃーんと認めて、美和子のマンコ穴、俺のチンポでぐりぐりしてやるよ」
「えぅ〜、でもぉ………」
 あきらかに、美和子は迷っていた。

 山岡のペニスを、いまだじゅくじゅくと濡れ滴る秘芯に挿入してもらいたい気持ちが強くある一方、彼以外のペニスに奉仕するという事への抵抗もあるからだ。そんな不安げな彼女の肩をぽん、と叩いて、山岡はにっこり笑った。
「大丈夫だよ、美和子。あれ、お前のカレシで、お前の処女マンコを一応ぶちぬいたヤツなんだろ? 元々つき合ってたんだからさ、冷たいこといわずに、最後の口奉仕ぐらいしてやれ。最後の1回だけ。な…………安心しろ、粗チン一本くわえようがどうしようが、お前は俺だけの奴隷だ」
「は、はい。わたしはご主人様だけのセックス奴隷ですぅ」
 山岡の言葉に安心した美和子は、ぱぁっと顔を輝かせる。

 そして、いそいそとベッドから降り、タンスに括り付けられたハルキのもとへと近づいていった。
「み、美和子ぉ………お前、お前、一体どうしちまったんだよぉッ!」
「わたしはどうもしてないんだよ、ハルキくん。ただ、ご主人様のチンポの良さに目覚めさせられただけ。ご主人様の命令だから、ハルキくんのチンポ、口奉仕させてもらうね」
 美和子は無感動にそういって、事務的な動きでハルキのズボンのチャックをじぃいーっと下ろして開く。
「ま、待て美和子…………あぅっ」
 ブリーフの前ボタンも外され、その隙間から、ちょろっとハルキの先端まで皮をかぶった子供ペニスが顔を出した。
「うぉ! おいおい、美和子の言ってたこと、ホントだったのかよぉッ! は、ハルキ、お前ぇ、すっげぇ〜、超・皮かむり君だったんだなぁ〜! ひゃひゃっひゃ…………」
「くっ…………」
 山岡の嘲りをうけて、ハルキは悔しさに歯がみする。
「ちょっとハルキくん、早く勃起させてよ、これじゃわたし、短すぎて口奉仕できないよぉ」
 美和子の心ない言葉に、ベッドの上で山岡がまた大声で爆笑した。
「そーだそーだ、ハルキ、勃起させて、実はビッグなところを俺達に見せてくれぇ!」
「もぉっ」
 苛立たしげに、美和子はずるっと何の前触れもなくハルキのペニスの皮を剥きあげた。
「あうぅうっ!」
 露出に慣れていない、ピンク色の初々しい亀頭がぴゅるん、と現れる。
「ハルキくん、早く勃ててよぉ〜」
 美和子がハルキの肉袋をやわやわと揉みながら、短いペニスのシャフトをしゅこしゅこと擦り立てた。

「あっ、ああぁあっ、ちょ、み、美和………」
 ほどなくハルキのペニスはむくむくと隆起し、やっとペニスらしい外観となる。
「お、リトルくんが、プチ勃起したぞ」
 山岡が、いかにも『勃起させてそれかよ』といわんばかりの口調で言った。
「もう少し大きくしないと………」
 美和子は懸命に両手を動かし、敏感な亀頭裏を指で撫でさするとともに、強弱をつけてシャフトを擦り、また肉袋をぎゅっぎゅっとやや強めに握ったりする。

 ──────が、美和子は忘れていた。

 ハルキのペニスは、今で既に最大サイズであるという事を。

 
「あぁああ、やめ、やめぇえっ…………うっ」

 
 どびゅっ どびゅびゅっ どびゅびゅぅううっ

 

「いやん!」
 とっさに避けた美和子だが、そのハルキの精液の一部が太股にかかってしまった。
「あ、あれ? …………まさか、もう、出しちゃったの?」
 さすがの山岡も、馬鹿にする言葉すら忘れて、唖然とそのハルキの『早撃ち』ぶりを眺めている。

 考えてみれば無理もない。

 ただでさえ、処女の膣に挿入して、五分保つか保たないかのハルキなのだ。

 山岡から指技の指南を受け、また、めったな事では放出しない鍛えられた肉棒を基準にしている美和子の技術にかかっては、この『速射』もやむを得ぬ仕儀であったというべきだろう。

 
「いやぁだぁ〜、ハルキくんのザーメン、太股にかかっちゃいましたぁ、ご主人様ぁ〜!」

 
 美和子は半べそをかいてハルキから離れ、ベッドの上で呆然と佇む山岡に抱きついた。
「こ、こら泣くなよ。こら、美和子! 大丈夫だって、そんなの、ちょっとシャワー浴びてくればすぐ取れるだろう? ほれ、洗ってこい」
「うぅ〜。ご、ご主人様が、洗ってくれないのですかぁ〜」
甘えるな! それぐらい自分でさっさと綺麗にしろ!
 山岡が怒鳴りつけると、美和子はびくっとなって肩を落とし、そのまますごすごとバスルームへ向かった。
「…………そのかわり、ちゃんと綺麗にしたら、約束通り、俺のチンポを挿れてやるから」
 一転して、優しく微笑んむ山岡。
「は、はいぃっ、ご主人様ぁ」
 美和子の顔が明るくなり、駆け足でバスルームへと消えていった。

 

 

 

 
 

「く…………お前、美和子に、何を、したぁ…………」

 
 憎悪の視線を山岡に向けるハルキ。が………
「いや、あのな。ハルキ。そんな、しょんぼり、とんがりコーンみたいになってるチンポ出しっぱなし、ザーメン床にまき散らしっぱなしで凄まれてもさ、どーリアクションしていいか分からんのよ、実際」
 山岡は、まるでそれを誇示するかのように、己の長大に隆起した自慢のペニスをわざとハルキの前でごしごしと擦り、ハルキのコンプレックスをいやというほど刺激する。
「ゆ、許さない…………美和子をあんなにしたお前を、俺は絶対…………!」
「んー………でもそれ、格好悪いぞ、ハルキ。ぶっちゃけ。早い話が、お前は美和子に振られたんだよ。今の美和子のリアクション見たら分かるっしょ? 愛しい筈のお前のザーメン太股にかかっただけであの嫌がりようだよ? で、美和子は俺を選んだ。それだけの話じゃねぇ? それをさ、許さんぞぉ、とかなんとか………めっちゃくちゃダサ男くんだよそれ」
「な、何か…………何か美和子に、あいつに薬でも飲ませたんだろう!」
「いーやいやいや。今の美和子、見ただろ? めっちゃ、素だったじゃん。薬でラリってる女が、あんなハツラツとバスルームにいくか? 薬はおろか、酒すら一滴も飲ませてねぇよ。疑うんなら、美和子に後で聞いて見ろよ。お前のいとしの美和子ちゃんによぉ………」
「…………くっ……」

 
 反論できない。

 

「ま、お前もまた新しく彼女探すこったな。人気者だから、すぐできるって。でも、セックスだけはやめとけよ。チンポ小せぇ上に早漏ときちゃあ、ちょっとなぁ…………さっきの早撃ち、俺でもちょぉ〜っとマジ引きしちゃったもん。お前のそれで、美和子が離れていったようなモンなんだから………」
「ううぅっ、そ、そんな、好きになるのに、そんなの………」
「関係ないってか? そりゃ違うぜハルキ。女が本当に欲しがってるのは、真実の愛情なのだ。見せかけの優しさや、小手先の慰めなんて屁の役にも立ちゃあしねぇ。女が本当に、心底男の愛を欲しがってるのは、マンコだよ。マンコの奥に、女の芯が眠ってるんだ。それを男は、チンポでずごっと掘り出してやらないといけないのさ」

「そんなっ…………馬鹿な話があるかぁ!」
 ハルキが絶叫した。

 それは、心のどこかで山岡の話を認めてしまっている自分に対する抵抗でもあった。
「ま、論より証拠、だ…………お、俺の奴隷が、シャワー終わって出てくるぜ………」
 ヘソのあたりまで反り返った、兇悪な肉棒を片手でしごきながら、山岡はベッドに腰掛ける。

 
「特別サービスだ、ハルキ。見せてやるよ、タダで。真実の愛情ってやつをなぁ」

 

 


  

 

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