第2章

 


 レイをはじめ、村の少女達の運命をメチャクチャにしてしまった山賊団『山嵐』は、最終的に壊滅した。あの時逃げ延びた、たった5人の少女達が、見事に復讐を成し遂げたのだ。レイ自身は、それから紆余曲折あり、ジョセフィーヌに助けられた。変わり果てた姿となったレイを見て、ジョセフィーヌは自分のせいだ、と泣いた。あの時、無理矢理にでも連れて行っていれば、こんな事にならずに済んだのに………と。

 

 しかし、それは違う、とレイは思っていた。

 

 あの時、運命の晩、姉と一緒に逃げていればどうだっただろう?

 もしかしたら、姉の言う通り万事うまくいったかも知れない。

 でも、もしかしたら、人数が1人増えたことによって、脱出が失敗していたかも知れないのだ。

 

 起きてしまった結果に『もしも』はない。 

 

 目の前で好きな人が惨殺されたことも、山賊に処女を奪われ、陵辱されたことも、こんな姿になったことも、全てが元には戻らない。

 山賊団最後の1人、首領のボルドーが少女達によって『処刑』された時、レイは空しい満足感を味わっていた。

 おそらく、他の少女達や、姉のジョセフィーヌも同じような気持ちだったのだろう。

 

 復讐は終わった。

 これを区切りとして、彼女達は先に進まなければならない。

 

 ────────が、レイには先に進む足はない。

 

 希望をつかみ取る腕もない。

 

 車椅子に乗せられ、腕や足の部分をケープで覆い隠し、姉に押して貰わないと満足に散歩さえできないのだ。

 

 大小の排泄でさえ、自分1人ではどうにもならない。

 ジョセフィーヌに車椅子から便座に移してもらい、スカートをまくってもらい、下着を下ろしてもらう。

 やっと落ち着いたと思ったら、今度は恥ずかしい部分を姉の手で拭いてもらわなければならない。

 

 今も、レイは大便を終えたことを、トイレの外で待っていた姉に伝えた。

 ジョセフィーヌは無言で入ってくる。

 なるべく事務的な動作を装うことによって、妹が恥ずかしがらないように、という配慮だろう。

 

 お互い、顔を見ないように努めつつ、ジョセフィーヌが紙でレイのアヌスを拭き取っていく。

 紙ごしに伝わってくる、姉の指の感触。

 山賊に浚われた娘達は全員そうだが、レイもそのご多分に漏れず、前とは別に後ろの穴も開発されていた。

 ジョセフィーヌの優しい指使いが肛門を擦るたび、びくっ、びくっ、と腰を震わせてしまう。

 姉にも当然気づかれている。

 脚の残った部分がふるふるとしているのに気づいている。

 

 腕を失って夜、一番レイが困っているのは、自分で自分の部分を慰められないことだった。

 

 山賊に前も後ろも貫かれ、今の姿にされてからは更に調教師によって膣奥の隅々、直腸のいたるところを嬲り尽くされ、男の器官がもたらす快楽を徹底的に刷り込まれている。太股をすりあわせた程度ではとても足りない。もどかしい。しかし、まさか姉にそんな事を頼む訳にはいかない。死ぬまでずっとこのまま。着替えるのも、移動するのも、身体を洗うのにも姉の力を借りて…………ずっと…………

 

 たまに、死のうか、と思う事もある。

 そうすれば楽になれるし、ジョセフィーヌも解放されるだろう。

 

 股間を綺麗にふき取られ、下着を穿かせてもらったレイが、車椅子に乗せられたその時、彼女らが住む家の呼び鈴が鳴った。

 

「はぁーいっ!」

 

 ジョセフィーヌが大声で叫び返し、いそいそと玄関先へと走っていく。

 

(来客? でも、これといって知り合いもいない、こんな街で………)

 

 レイが、車椅子の上で、眉を寄せた。

 

 しばらくして、再びこちらへ足音が近づいてくる。

「レイ、貴女に、お客さん」

 ジョセフィーヌが言うと、その背後から、花束を持った青年が現れた。

 昨日、レイが地面に転がった時、助けようとしてくれた彼。

 

「あ…………」

「あの、昨日はどうも、誠にその、失礼いたしました。僕の手に掴まってください、だなんて、無神経なことをいってしまって…………この通り、深く謝罪いたします」

 言って、青年は深々とレイに向かって頭を垂れた。

「え? あ、そんな…………別に、そんなことは」

 呆気にとられ、レイは次の言葉が浮かばない。

「この花束は、1つのお詫びの気持ちと、あと…………え、その、つまり…………お近づきのしるしに、と」

「では、その花束は遠慮なく………」

 さっと手を伸ばして、青年から花束を受け取り、ジョセフィーヌ。

「姉さん」

 レイが、ちょっと怒ったような口調でたしなめた。もっとも、ナニに怒っているのかはレイにも分からない。

 

「わたしはジョセフィーヌといいます。こちらが妹のレイ」

「ジョセフィーヌさん、レイさん…………ですか。いい名前ですね」

 

 彼は人好きのする、穏やかな笑みを浮かべ、言った。

 

「僕はサミュエル・シルバーマン。サム、と呼んでください」

 

 

 サム。

 

 サミュエル・シルバーマン。

 

 

 

 彼との出会いが、2人の姉妹の運命の車輪を揺り動かす。

 

 

 

 

 

 


 

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