第十一章

 

 

 

 

 

 「や、やめてくれぇ! 許してくれぇッ!」
 男は、まるで女の子のように泣き叫び、許しを請うた。

 男の名はゴルドー。

 50人からなる山賊団『山嵐』を率いて、悪事の限りを働いてきた男だ。
 地下に設けられた密室。

 両腕を後ろ手に柱へと括り付けられた全裸のゴルドー。

 それぞれの脚は大股開きの状態で、石床にくさびを打ち込んで固定されている。

 

 その惨めな男の周囲に佇むのは、同じく全裸の5人の少女。

 

 ニナ。片方の乳房を抉られた、美貌の金髪。
 蓮香。秘唇に7つのピアスを施された、黒目黒髪の少女。
 京香。同じく秘唇に7つのピアスを施された、蓮香の双子の妹。

 ジョセフィーヌ。長身銀髪の女。下腹部に『精液便所』の刺青がある。
 レイファ。神のごとき美しさを秘めた黒い長髪の少女。だが、その顔の左半分は醜く焼けただれていた。

 
「ようこそ、山賊団『山嵐』首領、ゴルドー」

 
 女達のリーダーであるレイファが、厳かに宣言した。
「アナタが滅ぼした村の娘達よ」

 
 じゅぅうううう

 
ぎゃぁあああああッ
 片乳のニナが、焼きゴテを無造作にゴルドーの右目に押しつけた。
「…………………アンタが、最後の『男』だよ」
 ニナは、無表情で告げる。
「わたし達が受けた痛み、思い知るがいい」
「今度はチンポ焼いてみてよ、ニナ」
「それがいいよ、じゅぅうっていい音するよ、ニナ」

 双子の蓮香と京香が楽しそうに言った。
「いぃいい、や、やめろぉっ………畜生、そ、それだけはやめてくれぇええっ!」
 潰れた右目からじゅくじゅくと嫌な臭いを発しながら、ゴルドーは涙目で訴える。

 
「じゃあ、ちゃんと謝りなさい」

 
 ジョセフィーヌが冷たい口調で言った。

 彼女の腰の傍には、手足を失った妹のレイが、車椅子に載せられて座っていた。

 レイファによって口の縛りは取り除かれ、疵跡も癒えたレイは、ゆっくりとその口を開く。
「お前がいたから、わたしは…………こんな姿に………」
 まだ幼い少女とはとても思えない、強烈な憎悪をのせてレイはゴルドーを睨みつけた。
「そうよ」
 そんな妹の肩にそっと手を乗せ、ジョセフィーヌが続ける。
「だから、ちゃんと謝りなさい」
「うぅうっ…………うぅ、わ、悪かったぁ…………悪かったぁ…………ぶぎぇっ!

 
 双子のうち、蓮香の蹴りが飛んだ。

 それはゴルドーの鼻にもろに命中し、ぶしゃっと大量の鼻血が吹き出した。

 
「あららぁ〜、このオッサン、礼儀ってものを全然知らないよぉ、京香ぁ〜」
「ほんとぉ〜? じゃあさぁ、もうチンポ焼いちゃっていいんじゃなぁ〜い」
「や、やべでぐれぇ………ゆる、許して………」
「心を込めて謝りなさい」
 レイファが、ゴルドーを見下ろして言った。
「うぐぇ…………う、わ、悪かった………です。俺が、悪かったです………」
 屈辱にまみれ、ゴルドーは切れ切れに謝罪する。
「謝る時は『ごめんなさい』でしょ」
「ニナ、こいつ馬鹿なんだから、ちゃーんとセリフ教えてあげないとぉ」
「おい馬鹿、こういう時は、『ボクちゃんが悪かったでちゅ。ごめんなちゃい。許してくだちゃい』って言うんだよぉ〜」
 双子が、鼻血にまみれたゴルドーの左右で、嘲るように囁く。

 
「…………う、うぐぅ………」
「ほら言えよっ!」
 業を煮やしたニナが、ゴルドーの残りの眼に、その焼きゴテを近づけた。

 
「ひっひぃっ…………わ、わかりましたぁ! 言いますぅッ……………………ぼ………………………ぼっ、ボクちゃんが、わ、悪かったでちゅ………く………………………ご、ごめんなちゃい…………………ゆる、許して、許してくだちゃいぃっ………………うぅっ」

 
 ゴルドーがそう言った瞬間、少女達が一斉に笑い出した。

 
「あはははははははは、聞いた? 聞いた、京香? こいつ、マジで言ったよ、きゃはははははははははは!」
「あははははははは、聞いたぁ! あはは、あははは、ヤバイ、蓮香、笑い過ぎでこれ、マジ腹痛いぃ〜、きゃははははははははは!」

 双子が腹を抱えて床に転げる。
「くっくっ、こうなっちゃ、山賊団のボスも形無しねぇ、あはははははははははっ」
「あはははははは、姉さん、あはは、あはははははは、本当、馬鹿丸出し、こいつ、ふふふふっ」
 ジョセフィーヌとレイも、愉快そうに笑った。
「ひひっ、ははははははっ、れ、レイファ、きゃははははははは、レイファ、これで、ちょっとは、ひひ、スカッとしたぁ?」
 ニナが空いた手で脇腹を押さえながら、黒髪の少女に尋ねる。
「ふふふ、はは、そうね………あははははは、ほんの、ちょっとだけど、うふふふ」

 
 柱に縛られ、足を大股開きにされた男。

 その周りを5人の全裸の少女が囲み、大声で笑い転げる図は、なんとも奇妙なものだった。

 

「ははは、あはははは…………あぁー、おかしい。あー…………ふぅ。あぁ〜…………笑った笑った。こんなに心の底から笑ったの、ホント、久し振り。……………………んー。じゃぁ、みんな、そろそろいいかな?」

 
 ニナが、皆を見回して聞く。

 
「うん、あたしはいいよ」
「あたしもいい」
 双子が頷く。
「ええ、そろそろいいんじゃない」
 ジョセフィーヌもニナに同意する。
「…………え、何?」
 1人、レイファだけが聞き返した。が、ニナは彼女には構わず、
「キニー!」
 と声を発した。
 ニナの呼び出しに応じ、地下室の階段から、全裸の少年が下りてくる。彼は、片手にノコギリを持っていた。

 
「…………キニー」

 

 驚いた顔で、レイファ。
「さぁ、さっさとこっち来なさい、キニー」
「そうそ、レイファの傍までね、、キニー」
 双子が嬉しそうに言う。
「レイファも、ほら」
 ジョセフィーヌに背中を押され、レイファが少年と向き合う形となった。
「じゃ、キニー。けじめをつけてもらうよ」
 ニナが低い声で言い、少年はしばし沈黙した後、「うん」と頷く。
「ちょっ…………けじめって…………ニナ!」
 レイファの顔が緊張した。
 

 

 

 

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