第20章

 

 

 

 疼く。

 

 家にいても、外にいても、麗香の股間の疼きは止まらなかった。
 秘芯とアヌスを浅く浅く貫く人造男根。自分の手で慰めることさえ許されない貞操帯。

 尿道口の部分だけぽかっと開いているので、小用を足すのは問題ない。

 問題は後ろの方だ。

  

 排出は一日一回。

 麗香は後ろ手に縛られた状態で、純に貞操帯の鍵を外して貰おう。
 入浴時でさえ拘束されている麗香の秘部が、この時ばかりは解放される。

 すぐさま秘唇をメチャクチャにこねくり回したい衝動で、少女の内股がかくかく震えた。

 

「はい、じゃあ、ウンチして」

 

 肛門が拡張され、1日分の大便が、ぶり、ぶり、と便器の中に落ちていく間も、純はずっとトイレの中で麗香を見張っていた。

 恥ずかしいが、それだけではない。

 同性に、見られたままでの排便──────それが、こんなに快感を呼ぶものだなんて、麗香は知らなかった。

 短小とはいえ、ディルドーによって1日中拡張されていた麗香のアヌスは、いとも簡単に溜まっていた便をひり出していく。

 

 ぽちょんっ………………ぽちょんっ………

 

 便が括約筋を押し広げ、ひり出すたびに麗香は下唇を噛んでその感覚に耐えた。

 同時に「ちろちろっ」と、尿が申し分程度に発射されたが、それさえ今の彼女には快感だった。

 

「明日で三日目ね」

 純は腕組みしながら、にっこりと微笑んだ。

「うん………」

 麗香が頷く。
 

(明後日、一郎のチンポを挿れてもらえる…………!)

 

 それだけが、今の麗香の忍耐の支えとなっている。
「終わった? じゃ、お尻、拭いてあげるね」
「…………え? い、いいよ。ウォシュレットあるから…………」
 麗香は赤面して言った。
 昨日とおとついはウォシュレットだったのに、何で今頃…………

「いいの。我慢したご褒美。先生には内緒よ………」

 トイレットペーパーをちぎり取り、純はその紙片を、純の股間にあてがう。

 

 途端、麗香の全身に強烈なインパルスが奔った。

 

「はぉおッ、あくぅううううううッ…………!」

 

 後ろ手に縛られ、便座に腰掛けたまま、少女は痺れるような絶頂を迎える。

 純の指が、トイレットペーパー越しに、麗香のアヌスを撫でた。
 優しく、入念に。

「あぁあああッ、らめ、らぁあぁッ…………じゅ、じゅんんん、さんンッ…………おぅううっ…………」

 惚けたように口を開いたまま、麗香。
「あらあら、お尻をちょっとふき取られただけでイッちゃったの? とんだ変態さんね」
 その『仕上がり具合』を見て、純は満足げに言った。

 

「でも、明後日はもっとすごい趣向を考えてるのよ…………」

 

 

 

 

 

 

「おい、お前!」

「…………僕の、ことですか?」

 呼ばれて、神崎一郎はバッグ片手に振り返った。

 大学構内。

 相変わらず研究室に詰めていた一郎は、食堂から帰る途中、キャンパスの坂道のあたりでその男に呼び止められたのだ。

 男は、私服姿の山下拓郎だった。

「ん。君は、誰かな」
 一郎はとぼける。
「ここで、お前と麗香を見たって奴に聞いたんだ! おい、麗香は今、どこにいる!?」

 凄みつける拓郎。

 だが、一郎の表情は普段通り、淡々としたものだ。眼鏡の位置を指で直し、まっすぐに猛る相手を見た。

「人に聞いたって、誰に? 他人のソラ似とかじゃなくてかい。僕はここの院生なんだけれども、教授について、授業の補佐などもたまにする。本来は僕の仕事じゃないのだが、まぁ、人の世はかくも住み難し、だよ。単位目的の女子大生と、食事をとったり話したりすることもあるから、それ、じゃないかな」
「うるせぇ! テメェのご託聞いてるんじゃねぇんだよぉ! さっさと麗香の居場所を吐け!」

「……………………あのね、こっちが理に諭しているときに、ご託って言い方はないだろう。まぁ、とにかくその何とかっていう名前には聞き覚えもないし、知り合いの中で該当する名称をもった女性も知らない。これ以上の回答を僕に求めても無意味だよ」

 それだけ言うと、一郎は踵を返して拓郎に背をむけ、すたすたと歩き出す。

 拓郎は一瞬呆然とした後、追いすがって一郎の胸ぐらを掴みあげた。

「おぃ、テメェ…………ナメてんじゃねぇぞコラぁ? 」

 不良でさえ竦み上がる拓郎の至近距離での凝視を受けても、一郎はなお、つまらなそうな目線を相手に向けている。

「君ね…………初対面の人間に会った時、そういう態度なの?」

 その一言がとどめだったらしい。

 鈍い音とともに、一郎が飛ばされた。

 勢いよく眼鏡が飛び、地面に打ち付けられてカシャ、と割れた。

「きゃあああ! せ、先生!」

 周囲にいた女子大生達が、その現場を見て叫ぶ。

 

「だ、だから、先生じゃないって、いっつも…………」

 

 ぶつぶつ呟きながら、一郎は殴られた右の頬に手をあてつつ、ゆっくりと立ち上がった。

「もう一発喰らいたいかぁ!? おぉ? このコンニャク野郎が!」

「ちょ、け、警備員さん呼んできてッ!」
 騒ぎ立てる女子大生。が、一郎がその方角へ手を伸ばして制止する。

「あぁ…………いいから。警備員さんも忙しいでしょうから…………それより、ちょっと離れていた方がいいよ…………巻き添えくっても、つまらないでしょう? あと、僕は先生じゃないから」

「もう一発入れてやったら思い出すかぁ? センセイよぉ?!」

 薄ら笑いを浮かべ、左手に拳をパシパシ叩きつけながら迫る拓郎。

「やれやれ…………めんどくさいなぁ…………」

 間髪入れず、拓郎の右の拳が一郎の顔面に迫る。

 女子大生数名が悲鳴をあげた。

 が、次の刹那、呻き声をあげたのは一郎ではなかった。

 

「お、ぐぅうう、ぅう…………ぐぅぇええっ…………!」

 

 みぞおちを両手で押さえ、拓郎が膝を折る。

 

「暴力を振るうと、自分に返ってくるよ。いい勉強になっただろう? あぁ〜あ、まったく…………あの眼鏡、気に入ってたのに…………眼鏡屋さんに行く時間が無駄だ」

 それだけ言うと、一郎は何事もなかったようにその場を立ち去った。
「く、くそ…………ま、待ちやが、れぇ…………」
 腹を手で押さえつつ、立ち上がろうとする拓郎。その時…………

 

「あ、警備員さん! あの男です!」

 

 女子大生の1人が叫ぶ。
「おい、お前! 神崎先生に暴力を振るったらしいな! ちょっとこっちこい!」
 数名の、体格の良い警備員が、警棒を片手に駆けつけた。
「ちっ」
 拓郎は口から垂れた胃液を拭い、そのまま駆け出し、キャンパスから遁走する。
「こら! 待て!」
「お前、外部の者かぁ!?」
 遠ざかっていく複数の人影を、少し離れた場所を歩きつつ、一郎。

 
「…………だから、先生じゃないって、言ってるでしょう」

 

 

 

 

 

 

 夜。

 

 大学構内から逃げ延び、しつこく追いすがる警備員達を何とかまいた山下拓郎は、コンビニで買った缶ビール、その飲み干した空き缶を灰皿がわりに、街中の裏路地で煙草を吸っていた。1人。普段なら、麗香も交え、数名でたむろしていた場所だが、今は拓郎1人だけしかいない。睾丸を潰し、病院送りにした4人とはもう縁切りだし、麗香はどこを探しても見つからない。連絡すらない。

 

「くそっ…………面白くねぇ…………」
 
 孤独。

 どこで歯車が狂ったのか。

 

「とにかく、あいつは怪しい…………」
 
 喧嘩では負け知らずの拓郎。不意を喰らったとはいえ、そんな彼に一撃をくれて悶絶させるなど、ただの大学関係者である筈がない。

(とにかく、もうあの大学には近寄れなくなった…………ツテを頼って、あいつを誰かに見張ってもらうか…………)

 根元まで吸い終わった煙草を、缶の中にねじ込む拓郎。

 

 ───────その時。

 

 ガスッ

 

「ッッッ!!?」

 

 後頭部を一撃され、拓郎は腰掛けたまま前のめりに倒れた。

 

「死ね!」

 

 ゴキッ

 
「ギャァアアッ」

 

 右腕。

 

「くらえぇ!」

 
 ベキョッ

 
「くたばれ!」

 
 ゴスッ ガキッ ボグゥッ ドゴッ ベキィッ バコッ ドガッ…………

 

 倒れたところを、拓郎は上から滅多打ちにされた。

 脚が折れ、腕がへしゃげ、頭から血が噴き出してもその打撃の雨は止まらない。

 

 ベキィッ バコッ ドガッ ゴスッ ガキッ ボグッ ズガッ バキョッ…………

 

(こ、こいつ、ら…………)

 

 薄れゆく意識。

 拓郎はおぼろげな視界の先に、見慣れた四人の姿を見た。

 

 

 

 

 

 

 

「先生、どうしたんですか? その怪我!」

 純が、帰宅した一郎の晴れ上がった右頬を見て叫んだ。

「あぁ…………ちょっと、喧嘩に巻き込まれて…………」

 眼鏡のない一郎が、相変わらず淡々とした口調で言った。

「そ、それ、まさか………」

 同じく一郎を迎えた麗香が、半ば青ざめた表情で。

「ん、まさかって? …………いや、たまーにだけれども、あるのさ。学生同士の喧嘩が。それに出くわしてしまって、まぁ立場上止めないわけにもいかないからね。それで、巻き添えをくったって感じかな」

「えぇ、先生はドジですからね。たまーに、巻き込まれますよね」

 純は苦笑して、一郎のバッグを受け取った。

「麗香ちゃん、お料理、温めて」

「あ、うん」

 

 指示を受け、麗香がキッチンへと消える。

 
「…………山下拓郎ですか」
 一郎の手当をしつつ、純が小声で囁いた。

「ああ。結構、彼の調査能力も馬鹿にならないものだね…………いや、ほんと、お見それしたよ。おかげで眼鏡が壊れた」

「先生、まさか、相手をメチャクチャにしちゃったんじゃないでしょうね」

 じぃ、と一郎の顔を睨んで、純。

「んー………いや、みぞおちに一発だけだよ。正当防衛だ。何しろ、向こうから殴ってきたわけだしね」

「良かった…………じゃあ山下拓郎くんはまだ生きてるんですね」

「なかなか人聞きの悪いことを言うじゃないか、山泉くん。そういう悪癖は、誰に習ったの?」

 口端をあげて、一郎。

「先生です」

 純が即答する。

「…………ぁ、そう」

「じゃあ、山下拓郎は大学から逃げて、街の中にいるんですね」

「いや、今は病院だ」

「───────え?」

 きょとん、とした表情になる純。

「それって、どういう…………」

「あの4人組だよ。探偵さんから、さっき連絡があった。連中も、今は警察に捕まっている。山下拓郎くんは、頸椎損傷の重体だ。ゆえに、もう麗香くんには害を及ぼすことは物理的にないだろう」

「…………そうですか」

 純はそういって頷き、ソファに一郎を残したまま、キッチンへと向かった。

 

 

 

「麗香ちゃん、どう?」

「んー…………もう食べられる、と思うけど」

 鍋の中を覗いて、少女。

「そ………じゃあ、一郎さんが夕食食べてるあいだに、麗香ちゃんの『貞操帯』トイレで外して、出しちゃおか」

「う、うん………」

 麗香は言って、少し恥ずかしそうに俯く。

 

「さ、とりあえず、料理持っていきましょ。盛りつけのお皿は上のでいいから………」

 


   

 

 

 

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