第十四章

 

 

「ふぐっ…………ふっ…………ぐふぅうっ…………ほぅうっ…………」

 

 くぐもった女の声が、その部屋に響く。

「そうか、では、08号は死んだのか?」

 老人は、腰を使いながら、傍に佇む男に尋ねた。

「いえ………その、再起不能にされた上、中東の見せ物小屋に売り飛ばされたようです」

 静かな口調で、背広姿の男が言う。
 

 広い部屋だった。黒檀の机、革張りの椅子。

 取りそろえられた調度品は、傍目にも最高級と思えるものばかり。

 その部屋の主、伊集院 権蔵は、絨毯の上で、若い女を正常位で貫いていた。

 

「ふー! ふぅうーッ!」
 

 部屋の隅では、全裸で全身をぐるぐる巻きにされた男が、猿ぐつわをかまされたまま、涙を流して権蔵を睨んでいる。

 つい十数分前、権蔵によってその処女を奪われた女の名は久米田 静恵。

 彼女は、そこで転がっている男の婚約者だった。杉山 純矢─────弁護士。

 

「ふん、役に立たぬ奴よ…………しかし、面白いのぅ、その、悪子とかいう小娘…………」

 

 ずしっ ずしっ ずしっ ずしっ

 

 60歳を超えているとは思えぬ力強いストロークで、権蔵は静恵の処女孔を容赦なく抉りぬく。

 

「ふぅううッ…………おふぅうううううっ………ほぼぉおおっ…………」

 

 恋人、純矢に捧げる筈だった大切な処女────────

 それを純矢の目の前で奪われた静恵は、口にかまされたボール・ギグから呻き声をあげつつ、頬に涙を伝わせていた。

 

「この国に、まだこんな奴がいたとはのぉ…………くっく、杉山よ…………お前よりはよほど愉しませてくれそうだわ。のう…………『包茎弁護士』」

「ふぅー! ふうぅうー!」

 杉山の全身はロープで拘束されていたが、股間部分だけは隙間があり、そこから彼の、こじんまりとした包茎ペニスが顔を出している。

「女…………お前も、あのような粗末なモノで乙女を奪われんで良かったのう…………光栄に思うがいい。この国にその人ありと言われた、伊集院 権蔵様の男根で『女』を迎えることに…………………どぉ〜れ…………では、ワシの高貴な子種を授けてやるとするか…………」

 

 権蔵のピストンが速まった。

 静恵は激痛と屈辱に身を捩り、薬によって動きを封じられた手足をびくびく痙攣させる。

「ふぅううううー!」

「ほごほぉおっ、ごもぉお〜ッ!」

 

 どびゅぅッ! ぼびゅうぅうッ! ばびゅるぅッ! びゅしゅぅううッ! びゅびゅぅううッ! どびゃッ!

 

 恋人達の放つ絶望の呻きにあわせ、権蔵はありったけの精液を静恵の膣奥に放った。

 

「ほぉお…………………おぉお………………ほごぉおお…………」

 

 胎内で弾けた『熱』を明確に感じ取った静恵の目から、光が失せていく。

 

「ほぅう〜…………下賤な女陰(ほと)のワリには、なかなか楽しめたぞ。いつ見ても、幸せな日々から突然突き落とされ、絶望のただ中に堕ちてゆく女の顔を眺めるのは良いものよ。くっく…………杉山、お前の女には独逸(どいつ)製の強制排卵剤を飲ませてある…………今、間違いなく確実に、ワシの種でこの女は孕んだ。お前が悪いのだぞ…………たかが弁護士風情が、正義漢を気取りおって。ワシに楯を突くなぞ百年早いわ……………………安心せい。お前達の命を取ろうとは言わぬ。ワシはその……………………おい、御劔(みつるぎ)。例の小娘の名は何といったかな?」

 

「真成寺 悪子です」

 

 御劔と呼ばれた男は、相変わらず直立不動のまま、権蔵に答えた。

「そうじゃ、そうじゃ、その悪子とやらと違い、ワシはたいそう慈悲深い。お前達2人を、仲良く地下牢で飼ってやろう…………………そしてこの女は、玄人の調教師達に、連日連夜調教されるのだ…………お前の目の前で…………………立派な性奴隷となるまでな。出産するその時まで犯して犯して犯し抜いて、この女の全ての穴に、常時男根が埋まっておるよう取りはからってやろう。丈夫な子が産まれたら、晴れて杉山、お前と女を帰してやろう。ただし、その頃にはその女、完全な色情魔と化しておろうから、お前のような粗末な男根では満足せぬやも知れぬが……………………くっく、まぁ、頑張ってくれ給え。御劔、2人を連れて行け」

 

「は!」

 御劔は、簀巻きにされた杉山の顔面を思い切り蹴りつけて気絶させ、力無くぐったりと天井を見ている女ともども抱え上げると、

「では伊集院様、失礼いたします」 

 といって権蔵の部屋より退出していった。

 

「ふ……………………まったく、退屈じゃ」

 

 革張りの椅子に腰を落とし、権蔵は嘆息する。

 

  伊集院 権蔵。

 

 この国において、財貨と権勢を手中に収めた『希有なる者』の1人。

 政界、財界に強いパイプを持ち、一部では『平成のドン』と呼ぶ声もある。

 そんな彼が最近倦んでいるのは、対抗勢力達との化かし合いでも、海外資本家達との対決でもなく、この『中だるみ感』にあった。 

 彼は、勝ち続けてきた。

 欲しいと思ったものは、手段を選ばず手に入れてきた。

 

 そして、ある種の到達点に辿り着いた今になって、権蔵は人生に飽いている自分に気づいたのだ。

 

 ときおり、あのような向こう見ずの正義の味方、民衆の味方とやらを面白半分にいたぶることもある。

 が、すぐにそれにも飽きてしまう。

 先ほども、女の処女を杉山の目の前で奪ってやった瞬間、実はもう冷めていた。

 中に出してやって、自分の子を孕ませても何の達成感もない。

 

 そんな時、彼の耳に入ってきたのは、懇意にしてやっていた地方の暴力団壊滅の報だった。

 

 どうせ組同士の小競り合い、と思えど、昨今そのような抗争沙汰は珍しい。

 珍しく興味を惹かれ、その方面の情報を部下に集めさせた結果、彼は思わぬ鉱脈を見いだしたのだ。

 

 それが、真成寺 悪子。

 

 僅か15歳の少女に手玉にとられ、1つの組勢力が壊滅したと知った時、権蔵は思わず高笑いをあげて、周囲の部下達を怯えさせた。

 

「くっく…………良い、良いぞ…………」

 

 権蔵の笑みが、邪悪に歪む。

 

「ワシと一緒に、戦争ごっこをしようじゃないか…………………お嬢ちゃん」

 

 

 

 

 

 

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