第四章

 

 

 石田幸恵は、自分が全裸であることも構わず、拳を強く握って、目の前で佇む少女に襲いかかった。

 ビデオカメラを片手に持ったままの悪子は、小柄で華奢な少女に過ぎず、喧嘩慣れしている幸恵の敵ではないように思えた。

 タックルして押し倒し、次に馬乗りになって顔をめった打ちにする。それだけのこと……

 が、幸恵の思考は、

 

ぎゃがぁあぁッ!

 

 ────────脳天を貫くような衝撃によってかき消された。

 全裸の少女は仰向けに転倒し、そのまま床を一度、二度、三度と、まるで芋虫のように跳ね回る。

 

「うふふー。けっこうキクでしょ、これ♪」

 

 幸恵を襲ったのは、少女がもう片方の手に隠し持っていた、スタンガンの電撃だった。

 アメリカから輸入したこの護身用の電撃装置は、約百万ボルトの電流を発し、相手をショック状態に陥れる。

 悪子が持っているものは、改造され、より強い電圧を放つようにできていた。

 5m先のゴキブリを、爆裂させるほどの破壊力。

 幸恵は、その衝撃を至近距離でモロに喰らってしまったのである。

 気絶こそしなかったが、凄まじい電圧の余波で、今も全身の痙攣が続いていた。

 

「なぁんだあ、もう終わり? 立てないの? …………つまんないなぁ〜。勇ましいこと言ってたわりに、あっけなーい………………京子さーん」

「はい」

 悪子の声に、背後の扉が開く。

 現れたのは、タイトな黒のスカート、黒のシャツで武装した大人の女性だった。

「もういいや、これぐらいで許してあげる。…………壊してあげて」

 ワンピースの少女は、天使のように微笑んでそう言った。

「わかりました」

 にっこりと、京子。

 

 ショックから立ち直れないでいた幸恵は、突然現れた大人の女が近づき、自分の右腕を『バキッ』と肘からへし折るのを見た。

 事態が把握できない。逆さまに曲がった腕。

 熱い。追いついてくる痛み。

 

「ひぎゃああぁぁッ!」

 

 幸恵が絶叫している間に、京子が残りの腕を掴んだ。

 

 ベキィッ

 

「ほぎぃいいいいぃぃ〜ッ!」

  

 幸恵はショートカットを振り乱し、獣のように吼え狂った。

 これで両腕が破壊された。焼けるような激痛が、少女の脳髄を痺れさせる。

 朦朧となりながらも、幸恵は必死に足を動かし、京子から距離を取ろうとした。

  

「きゃははははは、逃げてる逃げてる♪」

 

 が、すぐさま追いついた京子が、少女の左足首を掴んで、ごじゅり、と膝の部分から捻り壊した。

 

「がびゃぁああああああっ!」

 

 もはやまともに動くのが右足だけとなった彼女は、必死にその残った足を使い、折れた両腕を前後に動かし、這いずって京子から逃げようとする。

 

(こ、殺される! ころされるぅううっ!)

 

 股間からは既にジョバジョバと尿を漏らし、涙と鼻水、ヨダレを盛大に垂らしながらの敵前逃亡。

 もはや、少女はなりふり構わずだった。

「あぁ〜、いいよぉ、幸恵さん。その必死な逃げっぷりぃ〜。オシッコ漏らしてるのも撮影中でーす♪」
「あぃいい、た、たしゅけれ、や、やべで、ぃぃぃい…………もう、もう許じでぇええ」
 みっともなく惨めに床を這いずりながら、幸恵はビデオカメラを構えた悪子に近づいていく。

「助けて欲しい?」
 しゃがみこんで、にっこりと、悪子。    

「た、たしゅけれ、お、お願い、お願…………」
 幸恵は折れた両手を前に掲げて、嗚咽をもらしつつ哀願する。

   

「じゃあ、今、ここでオナニーしてみて」

 
 純真無垢な微笑みを浮かべて、悪魔のようなことをいう少女。

「れ、れも、ぃい、両手がぁ…………い、いだいんでずぅううっ…………」

 肘から反対方向に折れ曲がった両腕で、どうやって自慰をこなせというのか。

「へぇ〜、できないんだぁ〜? じゃあ、京子さぁ〜ん」

 京子、の名前を聞くだけで、反射的に幸恵の尿道から残りの小便が「プシャッ」と迸った。

「や、やりまずぅ、やりまずぅうううう…………」
「ほぉら、石田さん、カメラ向けてるからさ、大股おっぴろげて、かわいいオマンコこっちに見せて♪」

 幸恵は痛みで震えながらも、床に腰をついて、悪子に向かって股を広げる。

「はーい、カメラの向こうのみなさーん。これが●●中学3年●組の、石田幸恵さんのアソコでーす。あれー? まだ14歳なのに、けっこう黒ずんでますねー? オナニーのしすぎでしょうか? ヘアも超濃いでーす。あははは、じゃあ石田さん、オナニーショー、よろしくお願いしまーす!」

 

 ファインダを覗く悪子の傍には、腕組みした京子が立っていた。

 全裸で、大股を広げ、カメラを構えられた状況でのオナニー。

 普段なら死ぬほど恥ずかしい行為であるが、今の幸恵は「ただ助かりたい」、それだけだった。

 幸恵は、反対に折れた腕をがくがくと内側にたぐり寄せ、その手を自分の秘唇にあてる。

「あぐぃいいっ」
 指を動かすたびに、腕に激痛が走る。

 痛みは熱に変わり、どんどん意識が遠のいていく。

 

「ほら、ちゃんとクリちゃん剥いて見せて〜」

 
 カメラを構えた悪子が、好きなことをいった。

 惨めに喘ぎながら、幸恵は震える指で、ぐりんと淫核の包皮を剥きあげる。

「おぉ〜、でっかい真珠ちゃんですねぇ〜。どうやら石田さんは、クリオナが大好きみたいです。では質問してみましょう。石田さーん、石田さんは、カメラの前でオナニーするのが大好きな、変態マゾのメス豚中学生ですかぁ〜?」

「あぃぃぃいっ…………そ、そん、そんらごろ…………」

 

 京子が腕組みを外して、一歩、幸恵に踏み込んだ。

 

「はっ、はぎぃ、はぃい…………わ、わらしは、そ、そうでず…………そうでずぅ、カメラの前で、オナニーずるのが、ら、らい好きな、へ、変態マゾ…………ろ、メス豚、中学生…………れすぅうっ…………」

「わぁあー、よく言えました〜ぁ! 石田さん、ご褒美あげる♪ クリちゃん剥いたまま、こっち向いて、今の、もう一回繰り返してぇ〜」

 
 悪子はカメラを持ったまま立ち上がった。

 両腕と左足がヘシ折れた少女が、股間を広げ、泣きながら再度淫核の包皮を剥く。

 もはや、先ほどまでの威勢の良い石田幸恵はどこにもいなかった。

「はーい、そのまま、そのまま…………」
「あぅうう……………………ふぅ…………わ、わらしは、カメラの前れ、オナニーするぎゃぴぃいっ!!!! 」  

 

 悪子の容赦ないつま先蹴りが、その剥き上げた幸恵のクリトリスを直撃。

 

「ほーら、オナニー手伝ってあげる。わたしっていい人ねー」

 
 ぐりぐりぐりぐりぃっ

 

あぎぃいッ、や、やべぎぇぇええええッあぎゃぁああああああ〜ッ!」 

 

 女陰を力まかせに踏みにじられ、幸恵は脚を閉じることもできずに泣き叫んだ。

「ほらほら、気持ちいいでしょー? もっと愉しんでね、石田さん♪ カメラのバッテリー切れるまで撮ってあげるからねぇ〜」
 

 ファインダー越しに、悪子が薄く笑った。

 

 

  

 

 

 

 

 

 ポニーテールの、ややそばかすが目立つだけの少女、山川理恵子。

 気がつくと、彼女は暗闇の中で椅子のようなものに座らされていた。

 

 五木キリコの用心棒的な存在の石田幸恵と比べると、山川理恵子は比較的『普通』の女子中学生だった。

 彼女は、帰宅途中に何者かに襲われ、そこで意識が途絶えていた。眠らされた記憶がある。

 

 誘拐? 監禁?

 

 しかし、それはおかしかった。

 彼女には、何の身に覚えもない。

 五木キリコになら、あるいは起こり得るのかも知れないが………。

 

 何しろ、キリコの家は極道だった。

 

 それほど有名な組織ではないらしいが、それでも、この街では絶大な勢力を誇っているようだ。お金もたくさんあるし、色々融通もきく。仲間の石田が時折無茶をしても何とかなっているのは、ひとえに五木キリコが便宜を図ってくれているから。そんな彼女なら、敵も多いだろう。クラスの皆は、キリコをただのクラスの美少女だと思っているだろうが、その恐ろしさは山川理恵子、そして石田幸恵はいやというほど知っていた。

 

 キリコなら、誘拐される、ということも現実問題あり得ると思う。

 

 翻って、自分はただの中学生の女性徒だ。

 暗がりの中、座っている自分。

 理髪店の椅子、のようなものに座らされているのが判った。

 

(どこだろう、ここは)

 

 足は膝を合わせた状態で縛られ、椅子に固定されているようだ。

 両手もまた、それぞれ肘掛けのあたりで、がっちりと固定されていて動かせない。

 

「え………?」

 

 ぼう、と目の前がぼんやりと輝く。それは、ビデオ一体型の、14インチほどのテレビだった。

 ざざ、と一瞬の砂嵐の後、ディスプレイに映像が映し出される。それを観て、山川理恵子は絶句する。

 

 『出演』しているのは、彼女の仲間、石田幸恵だった。

 



 

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